デジタル経済の加速に伴い、それを支えるインフラストラクチャーは、現代における最も魅力的な投資テーマの一つとなりつつあります。AI、クラウドコンピューティング、ストリーミング、リモートワークなどの進展により、データ需要は急速に拡大しており、それを支える物理的なインフラストラクチャーの重要性も高まっています。
本稿では、ブルー・アウル・デジタル・インフラストラクチャーの責任者であるMatt A’Hearnを迎え、データセンターがAI時代の「つるはしとシャベル」として台頭してきた背景をひも解きます。あわせて、本セクターの進化やハイパースケーラーとのパートナーシップの戦略的役割、さらにデジタル・インフラストラクチャーが変革的な成長機会への長期的かつ安定的なエクスポージャーを求める投資家から注目を集めている理由についても考察します。
Matt A’Hearn:デジタルインフラストラクチャーは、長年にわたって見ても、最もダイナミックで持続性の高い投資テーマの一つです。
まずは「デジタルインフラストラクチャー」が何を指すのかを整理したいと思います。これは、データセンターや光ファイバー、通信タワーといった基盤的なテクノロジー資産やサービスのことであり、クラウド、AI、ストリーミング、リモートワークなど、あらゆるデジタルサービスを支えています。いわば、デジタル経済における「道路や橋」のような存在です。
特に注目すべきは、その圧倒的な需要の規模です。世界のデータ生成量は2010年以降で約100倍に増加しており、2028年までにはさらに倍増すると予想されています¹。主な要因はAIですが、企業向けソフトウェアから消費者行動に至るまで、あらゆる分野におけるデジタル化の進展も大きく寄与しています。こうした膨大なコンテンツ、通信、そして計算処理を支えるには、それらを収容する場所が必要であり、その役割の中心を担うのがデータセンターです
さらに、この投資機会を一段と魅力的なものにしているのが、これらの資産の戦略的な重要性です。データセンターは、経済成長を支えるだけでなく、国家安全保障やグローバルな接続性の観点からも不可欠な存在となっています。加えて、世界をリードするテクノロジー企業が長期的なキャパシティ確保に向けて多額の投資を行っていることから²、私たちは、世界有数の革新的企業とパートナーシップを築くことで、デジタル経済を支えるインフラに投資できる、またとない投資機会を見出しています。
図表1
上記は例示のみを目的としています。
Matt A’Hearn:本セクターは目覚ましい進化を遂げてきました。私たちが2016年にIPIを立ち上げた当時、クラウドコンピューティングはまだ初期段階にありました。当初は、米国の主要市場において、安定稼働、バリューアド、および開発案件といった幅広い領域に焦点を当てていました。しかし、その中で一つのギャップに着目しました。マイクロソフト、アマゾン、グーグルといった世界最大級のハイパースケーラーは、拡大し続けるデータ需要に対応するにあたり、自らのスピードと規模で動けるパートナーを必要としていました。補足すると、ハイパースケーラーとは、幅広い企業ユーザー向けに大規模かつ高度に拡張可能なクラウドコンピューティング・インフラおよびサービスを提供する企業を指します。ハイパースケーラーは、大規模なデータセンターのグローバルネットワークを運営しており、データセンター需要全体の中でも、最も急速に拡大している分野を担っています。
上記は例示のみを目的としています。過去のパフォーマンスは、将来の結果を保証するものではありません。過去のトレンドが将来も継続する保証はありません。
それこそが、IPI(現ブルー・アウル・デジタル・インフラストラクチャー(BODI))の設立目的です。すなわち、パートナーシップとアラインメントに基づく集中的な投資戦略を通じて、世界最大級のハイパースケーラーのインフラストラクチャー需要に応えていくことです。それ以来、本セクターは大きな変革を遂げています。クラウドコンピューティングに関連する収益機会は引き続き拡大しており、AIの進展がその需要をさらに加速させる中で、ハイパースケーラーはグローバルなデータセンター基盤の拡張を一層進めています。²
当社は設立以来、ハイパースケーラーと共に進化してきました。深いパートナーシップと開発実績を積み重ねることで、このまたとない投資機会を捉える上での優位なポジションを確立しています。現在、当社は米国、EMEA、APACにおいて資産開発を推進しており、将来的な安定稼働の投資機会につながるパイプラインを構築しています。
Matt A’Hearn:私たちの成功の根幹には、「フォーカス」「スケール」「信頼」がありますが、BODIを真に差別化しているのは、ハイパースケール領域のエコシステムに深く関与している点にあります。当社は単にデジタルインフラストラクチャー分野に参入しているだけでなく、その進化に意味のある影響を与える主要プレーヤーの一角を担っています。
俯瞰すると、BODIは世界最大級のテクノロジー企業のインフラ需要に応えるために構築されたプラットフォームです。また、私たちは早い段階から、ハイパースケーラーが求めているのは単なる資本ではなく、スピード、精度、グローバルな展開力を備えたパートナーであると認識していました。こうした先見性のもと、当社は自社所有のポートフォリオ企業全体で1,000名超の専門人材へのアクセスを有するプラットフォームを構築しており、25以上の市場において、高度な運用力と機動性を実現しています。⁴
多様で複雑な市場においても、迅速かつ確実な実行を提供
ハイパースケーラーのグローバルな拡大ニーズに対応するよう設計されたソリューション
長年にわたる関係性と垂直統合型のアプローチ
当社はこれまでに100件を超えるデータセンター資産の開発・取得を手掛けており、現在のパイプラインも今後の成長機会の規模と勢いを示しています。もっとも、重要なのは単なる規模ではなく、それをいかに活用し、付加価値を創出するかにあります。
その実現に向け、迅速な意思決定、直接的な交渉、そしてターンキー型ソリューションの提供を可能とする体制を構築しています。これを支えているのは、立地選定、電力調達、規制対応、税務戦略、さらに先進的な開発・運営技術に精通したプロフェッショナルチームです。当チームは、インフラストラクチャー分野における複雑な課題の解決に長年取り組んできた専門人材により構成されており、経験に裏付けられた実行力を有しています。ダイナミックな市場環境においても、高い精度とスピードをもってプロジェクトを推進しています。
大規模なデータセンターの開発は、高度なエンジニアリング、綿密な計画、そして経験豊富なチームを要する複雑なプロセスです。こうした中で、スケールを伴う開発・供給の実績を積み重ね、米国、EMEA、APACにおけるハイパースケーラーとのパートナーシップを拡大してきました。豊富な資金力と広範な事業展開を背景に、用地確保や電力調達、建物の開発といった基盤インフラを担うことで、パートナー企業はAIやクラウドコンピューティングを支える設備投資に専念することが可能となります。
こうした利害の一致は極めて重要な要素であり、単なる資本提供者にとどまらず、戦略的パートナーとして位置付けられます。継続的な実行力とリピート案件を通じて築いてきた実績により、ハイパースケーラーからの信頼を獲得しており、グローバルな成長機会の中でともに拡大していく体制を構築しています。
Matt A’Hearn:非常に重要なご質問であり、その重要性はますます高まっています。クラウドコンピューティング需要の拡大に加え、AIの進展により、いわゆる「wave‑on‑wave(成長要因が重なり合う)」の大きな機会が生まれています。最近の推定によれば、米国だけでも2028年までにAIのトレーニングおよび推論に対応するため、追加で50GWの電力容量が必要となる可能性があり、これは現在の世界のデータセンター容量に対して80%以上の拡大に相当します。⁵こうした新規容量の立ち上がりを背景に、今後数年間にわたり安定稼働資産における投資機会の拡大が見込まれており、長期的な資本需要の高まりが期待されています。
これらの資産を魅力的なものとしている最大の要因は、テナントの質にあります。具体的には、これらの施設に既に多額の設備投資を行っている投資適格⁶のハイパースケーラーとの長期リース契約を指します。こうしたダイナミクスにより、高い更新率が見込まれ、解約リスクも限定的に抑えられる傾向にあります。また、チップやサーバー自体に直接エクスポージャーを有していないため、技術の陳腐化リスクの軽減も期待できます。安定稼働後、これらの資産は、有料道路や公益事業のように、長い耐用年数と高いキャッシュフローが見込まれるコア・インフラに近い特性を持つと考えられます。
図表4

上記は例示のみを目的としています。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。過去のトレンドが将来も継続する保証はありません。
同時に、ファンダメンタルズは非常に堅調です。主要市場における空室率は2%未満と低水準にあり、戦略的立地における土地や電力へのアクセスが限られていることから、新規開発は抑制されています。こうした需給の不均衡が、長期的な賃料の上昇と資産価値の向上を支えています。また、これらの資産をアンダーライティングする際には、テナント企業の社債と比較して利回りが上回るケースが多く、リスク調整後リターンの観点からも魅力的な投資機会といえます。
投資家にとっては、インフラのような安定性とテクノロジーのような成長性を兼ね備えつつ、デジタル経済へのアクセスを可能とする手段となります。これは、非常に希少で強力な組み合わせといえます。
Matt A’Hearn:グローバルなデジタル化と人工知能は、現在において注目度が高く、かつ重要な投資テーマの一つです。どの企業やテクノロジーが長期的な勝者となるかはまだ明らかではありませんが、すべてのAIモデルやクラウドベースのアプリケーション、ストリーミングサービスは、デジタル・インフラに支えられています。AIが「ゴールドラッシュ」に例えられるとすれば、データセンターはそれを成り立たせる必要不可欠な存在である「つるはしとシャベル」といえます。
ポートフォリオ構築の観点では、デジタル・インフラストラクチャーは、プライベート・ウェルス投資家が重視する傾向にある、長期的なインカム、高い信用力、インフレ耐性、そして伝統的資産との低い相関などの特性を数多く備えていると考えられます。
さらに、プライベート市場へのアクセスの拡大に伴い、より少額からの投資や税務手続きの簡素化、定期的な流動性の提供などの特徴を備えた投資ストラクチャーも増えています。こうした安定性、需要、アクセスのしやすさが組み合わさることで、デジタル・インフラストラクチャーは現在、非常に魅力的な投資機会となっています。
まだ序盤戦に過ぎないと考えています。需要を牽引する要因、すなわちAI、クラウド、グローバルな接続性は減速するどころか、急速に加速しています。すべての土台であるインフラストラクチャーは、そのペースに遅れずについていかなければなりません。
そこに、当社の出番があります。ブルー・アウルでは、単なる資産への投資にとどまらず、世界の主要なテクノロジー企業と長期的なパートナーシップを構築しています。こうしたパートナーシップに加え、当社の規模と専門性を組み合わせることで、デジタル・インフラストラクチャーの将来の発展に貢献し得る独自のポジションを有していると考えています。
土台づくりの一端を担う稀有な機会であり、当社の取り組みはまだ始まったばかりです。
注記
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別段の記載がない限り、本ウェブページで提供された情報は、2025年9月30日です。
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