投資家の皆様からは、資産選定プロセスやリスク管理に高いご関心をいただいております。本稿では、ポートフォリオ構築に対するブルー・アウルの考え方に焦点を当て、特に重要視するクレジット特性や、それらがパフォーマンスにどのように寄与すると考えているかについてご説明します。
これらは必ずしも厳格なルールではありませんが、当社のポートフォリオの大部分に共通する指針であり、大規模で安定した事業基盤を持つ企業への投資と、ダウンサイド抑制にフォーカスするという全般的な戦略に沿うものです。
ソフトウェア、ヘルスケア、食品・飲料、保険ブローカーといった景気後退局面への耐性が高いセクターに優先的に投資しており、分散型ポートフォリオでは特定セクターがポートフォリオの15%を超えないよう配分しています。一方で、重工業、住宅、石油・ガス、小売、ホスピタリティなど、景気変動の影響を強く受けるセクターは避けています。こうした市場セグメントに選別的に投資して「景気循環を予測する」ことを目指すのではなく、持続的かつ安定したキャッシュフローを生み出すセクターへの投資を重視しています。これに対し、パブリック・クレジット市場の指数は一般的に景気循環型の投資対象への比重が高い傾向にあります。長期的には、こうしたセクター配分の違いが、デフォルト率の低下や回収率の向上につながる可能性があると考えています。
確信度の高い投資案件であってもポジションサイズを最大1~2%にとどめ、分散されたポートフォリオの構築を目指しています。プラットフォーム全体における平均的なポジションサイズは、過去実績で約0.20%となっています。貸し手として得られる最大のリターンは元本の回収と利息収入に限られるため、上振れ余地は限定的です。そのため、ポートフォリオを高度に分散することで、単一ポジションのパフォーマンスが全体リターンに過度な影響を及ぼすことがないようにしています。これは、一部の「大きなリターン」が元本の損失を補うことのあるプライベート・エクイティなど、他の投資戦略とは性質が異なります。
過去の経験から、事業規模の大きい企業ほど、厳しい経済環境下においても高いレジリエンスを示す傾向があると考えています。こうした企業は通常、事業の分散度が高く、市場における戦略的優位性を有しているほか、コスト上昇圧力に耐えうる経営資源を備えています。結果として、事業規模の大きい企業は不測の事態による大きな混乱の影響を受けにくく、景気後退局面でもより長く持ちこたえる傾向にあります。また、同業の中小企業と比較して企業価値が高く、より厚いエクイティ・クッションを有することが一般的です。現在、当社のダイレクト・レンディング・ポートフォリオにおける平均 EBITDA¹ は 2 億米ドルを超えています。
投資の大半は、資本構造の最上位に位置する第一順位担保権付シニアローンです。つまり、より優先される債務は存在せず、企業資産に対して最優先の請求権を有します。また、通常、借り手企業それぞれに対して財務維持コベナンツと包括的なネガティブ・コベナンツを設定しています。安定的かつ予測可能な収益は、魅力的なリスク調整後リターンにつながると考えています。なお、第二順位担保権付ローン、無担保ローン、優先株式といったジュニア資本への投資も選別的に検討しますが、投資判断には極めて厳格な基準を設けています。
借り手企業が債務の返済および日常の事業運営を行うために十分なキャッシュフローを有しているかを重視しています。この点は、現在のような高金利環境に限らず、市場サイクル全体を通じて重要であると考えています。すべての投資案件で、投資先企業のEBITDAについて独自の評価を行っています。会計上の利益には寄与しているものの、実際には事業にキャッシュをもたらさない一時的な買収、イベント、施策などは除外しています。こうした分析を通じて、投資先企業が長期的に負担可能な適切なレバレッジ水準を見極めています。
ブルー・アウルは、主にプライベート・エクイティ・スポンサーが支援する企業に融資しています。質の高いプライベート・エクイティ企業は、財務・オペレーション・経営面において多様なリソースを提供し、ポートフォリオ企業の価値向上に寄与します。PEスポンサーは通常、成長投資や買収の実行、必要に応じた追加的な流動性の支援を提供するのに十分なドライ・パウダーを有しています。買収時には、PEスポンサーが当社の債務に劣後する形で多額の自己資本を現金で拠出しており、これにより投資先企業の成功に対するPEスポンサーとの利害が一致します。特に、ダイレクト・レンディング・プラットフォーム全体における平均的なエクイティ・クッションは約60%であり、これは貸し手以上に株主であるPEスポンサーの方がより大きなリスクを負担していることを意味します。
ブルー・アウルはファンダメンタルズを重視する投資家として、各投資案件についてボトムアップ分析に基づき個別に投資判断を行っています。さらに、ポートフォリオ全体の構成にも配慮し、最も魅力的な業界および最も質の高い企業にリスクエクスポージャーを配分するよう努めています。また、アンダーライティングに関する専門知識およびセクターに特化した分析能力を背景に、賢明な投資判断を行い、アルファ創出が期待できる投資機会を見極めることに注力しています。こうした投資フレームワークのもと、これまでのダイレクト・レンディング戦略においては、ノンアクルーアル(延滞や利息計上停止案件)は極めて限定的であり、年率換算の実現純損失率も0.1%未満と、堅調なクレジットパフォーマンスを維持してきました。今後も、このようなアプローチをもとに、長期的に魅力的なリスク調整後リターンを提供できると考えています。
Logan Nicholsonは、ブルー・アウルのシニア・マネージング・ディレクターであり、ダイレクト・レンディング投資チームのメンバーです また、ブルー・アウルの分散型レンディング戦略である、Blue Owl Capital Corporation(NYSE:OBDC)およびBlue Owl Credit Income Corporation(OCIC)のポートフォリオ・マネージャーを務めています。担当ファンドにおけるクレジットの選定およびポートフォリオ運用プロセス全般について、日々の運営・管理および戦略的な監督を担当しています。
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注記
重要情報
別段の記載がない限り、本ウェブページで提供された情報は、2025年12月9日現在のものです。
過去のパフォーマンスは、将来の結果を保証するものではありません。
「ダウンサイドの抑制」や類似する表現は、元本または投資価値の損失が生じないことを保証するものではありません。
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